第20話・2026.10.05
悩む時間をゼロにする方法は、「AIに聞く」ではなかった。
少女即決伝説。——なお、答えは「AIに聞く」だった。

私「悩む時間を、ほぼゼロにする方法があります。どうしたらいいと思います?」
JK「AIに聞く(ドヤっ)」
現代の高校生の、たいへん正しい答えである。
悩む30分、動く5分
この話は、授業の最後の数分に「1個いいことを教えましょう」と言って始めたものだ。
人間は、思っているより行動できない生き物である。なぜ行動できないのか。悩む時間が長いからだ。
「時間が足りない」と言う人ほど、たぶん悩んでいる時間が30分くらいあって、実際に動いたのは5分くらいだったりする。足りないのは時間ではなく、決める速さの方である。
そこで冒頭の質問になる。彼女の答えは「AIに聞く」だった。
私「AIにアクセスできなかったら? スマホの電池が切れたら? 終わってしまわない?」
JK「え、えっ」
私「まあ、今なら正解の一つ。でも近い、近い」
JK「そっか」
電池が切れた瞬間、AI頼みの判断は止まる。先生はこの日、生徒の意思決定より先に、スマホの充電残量を心配した。

答えは、先に決めておく
私「答え言っちゃうと、決めとくんです」
JK「あ、確かに」
何かを判断しないといけないときのために、自分の中のルールを先に決めておく。私が伝えた例は、この3つだった。
- やったことがないものなら、やる
- 1,000円以内なら、やる
- 5分以内にできるなら、やる
私「こういうマイルールを3つぐらい決めとくと、判断がめちゃめちゃ早くなるんで」
JK「なるほど」
ルールがあれば、迷う前に答えが出ている。悩む30分が、ほぼゼロになる。

お金があるほど、決めるのは速くなる
ここからが、お金の話である。
前に「自由の階段」の話をした(第16話参照)。お金を持つほど、人生の自由が階段のように増えていく、という整理だ。
この階段は、上に行くほど「決めるハードル」も下がっていく。旅行の自由まで上がった人なら、行ったことのない場所に誘われたとき、値段で迷わずに「行く」と言える。

お金持ちは、決めるのが速い。お金がまだない人は、その速さを、マイルールで先に手に入れておけばいい。1,000円という線は、そのための練習台である。
秒で決める人は、好かれる
もうひとつ、伝えたことがある。
誘われたときに秒で返事をする人は、「この人は返事が早い」と思われる。返事が早い人は、好かれる。好かれる人のところには、また次の誘いが来る。
人に好かれることは、お金持ちになる第一歩だ。お金だけでなく、人とのつながりも資本になる、という話は前にした(第18話参照)。
決める速さは、お金と人の両方につながっている。
楽をしたい人ほど、ルールを先に作る
振り返ると、この連載でいちばん大事な話は、だいたい予定外の時間に出てくる。前回のお金の話はAIの作業待ちの雑談だったし(第18話参照)、今回は授業の最後の数分だった。
彼女はお金持ちになりたい理由を「楽したい」と答えた人である(第18話参照)。そして、悩むことほど疲れることはない。
楽をしたい人ほど、迷う前にルールを決めておくといい。
ちなみに、AIに聞く前に答えが出ていれば、電池の心配もいらない。
(第20話・了)
この連載は、実在する女子高生の学習過程を、本人・保護者の同意のもと個人が特定されない形で記録しています。会話は意味を変えない範囲で整理しています。