第3話・2026.08.17
ど素人の思いつきかと思ったら、筋が良かった。
少女ひらめき伝説。——なお、先生は少しナメていた。

「作りたいアプリ、考えてきました」
初回の面談で出した宿題を、彼女はちゃんとやってきていた。 第1話の最後に「予想していたより、ずっと筋のいいアイデアだった」とだけ書いた、あの案である。
彼女が考えてきたアプリ
テスト範囲と教科書の写真から、AIが課題と勉強計画を自動で作ってくれるアプリ。
彼女の説明を整理すると、こうだ。
テスト範囲を入れる
教科書やワークの写真を読み込む
AIが課題や問題を作ってくれる
テスト日を入れる
今日からテスト日までの勉強カリキュラムを、自動で計画してくれる
思い出してほしい。面談で私のクイズアプリを見た彼女は、こう言っていた。
「テスト問題とか入れたら、テスト勉強はかどるかも」
あの一言が、ちゃんとアプリの形になって帰ってきた。
なぜ「筋がいい」と思ったか
白状すると、宿題を出したとき私は「まあ、ど素人の思いつきが来るだろう」と思っていた。
しかし、ど素人の思いつきは、来なかった。
まず、彼女自身の困りごとを解決する。
作る本人が、最初のユーザーになれる。
次に、同じ悩みの人が他にもいそうだった。テスト勉強は、勉強そのものの前にある 「計画作り」に時間と気力を取られる。範囲を眺めて、計画を立てたあたりで 満足してしまう——心当たりのある人は、大人にもいるはずだ。
そして、その計画作りを自動化できるなら、彼女以外にも価値がある。
**「自分のため」が「誰かのため」**につながる形をしている。
だから、最初から先生側で削ることはしなかった。
まずは本人が考えたものを、そのままAIにぶつけてみることにした。
私「これ、筋がいいからそのままぶつけてみよう」
JK「えっ、そなの・・・」

どうも、自分の案の筋の良さに、本人だけが気づいていないようだ・・・💦
この連載、だいたいこの構図である。
面談で話した「3つの道」
ここで、面談でした話をひとつ思い出していた。
お金持ちになる道は、大きく3つある。
①自分の能力で稼ぐ。②他者に投資する。③他者の財産を得る。
振り返ると、彼女がいま歩き始めているのは、1本目だ。
誰かの困りごとを解決して、価値を作り、対価をもらう。その最初の一歩が、このテスト勉強アプリになるかもしれない。
②の話は、また別の回で。
ちなみに、③は教え方を知らないので、たぶん出てこない💦💦
宿題
次回までの宿題はこうなった。
このアプリの画面を、紙に描いてくる。4枚まで。
頭の中の完成図は、まだ彼女にしか見えていない。
文章より先に、まず絵にする。
その手描きの紙が、次回、AIに渡される。
そこで彼女は、質問攻めに遭うことになる。
この連載は、実在する女子高生の学習過程を、本人・保護者の同意のもと個人が特定されない形で記録しています。会話は意味を変えない範囲で整理しています。
(第3話・了)