第6話・2026.10.12
年金は月23万円。ただし夫婦2人ぶんでした

老後のお金を「月いくら」に直す(6)
ニュースで見る「年金は月23万円」は、夫婦2人ぶんの金額でした。
しかも家の形によっては、その3分の1以下です。
1人で見ると、会社員だった人で約16万7千円。自営業だった人なら約7万円です。
23万円は、「夫が平均的な給料で40年会社員、妻が40年ずっと専業主婦」という家の数字でした。
「平均」や「モデル」は、だれか1人の数字ではありませんでした。
今回は、23万円を分解して、自分の家の形に組み直す3つの式です。
式1 基礎年金 × 2人 + 夫の厚生年金 = 23万7,279円
国民年金(基礎年金)× 2人 + 夫の厚生年金 = モデル世帯の年金
根拠
2026年度の年金額です(日本年金機構)。
- 国民年金(老齢基礎年金)の満額:1人 月7万608円
- 標準的な世帯の年金:月23万7,279円(夫婦2人分の基礎年金を含む)
- 前提:夫が平均的な収入(ボーナス込みで月45.5万円)で40年働き、妻は40年専業主婦
例
7万608円 × 2人 = 14万1,216円(2人の基礎年金)
23万7,279円 − 14万1,216円 = 9万6,063円(夫の厚生年金)
23万円のうち、約6割は2人ぶんの基礎年金でした。
会社員として40年働いた上乗せ(厚生年金)は、残りの約4割です。

自分の数字を入れる
自分の基礎年金__万円 + 自分の厚生年金__万円 = 自分の年金__万円
式2 家の形で組み直す
基礎年金 × 人数 + 会社員だった人の厚生年金 = 家の年金
根拠
基礎年金は、20歳から60歳まで保険料を払った人が、1人1つずつ受け取ります。
厚生年金は、会社員や公務員だった人だけに上乗せされます。金額は給料と働いた年数で変わります。
例(モデル世帯と同じ数字で組み直した場合)
- 会社員だった1人:7万608円 + 9万6,063円 = 約16万7千円
- 自営業の夫婦:7万608円 × 2人 = 約14万1千円
- 自営業だった1人:約7万1千円
- 夫婦とも会社員だった家:2人とも厚生年金があるので、23万円より多くなることがあります
いちばん多い23万7千円と、いちばん少ない7万1千円。
冒頭の「3分の1以下」は、この差です。

自分の数字を入れる
基礎年金 7万608円 × __人 + 厚生年金__万円 = 家の年金__万円
式3 ねんきん定期便の見込額 ÷ 12 = 自分の月額
ねんきん定期便の見込額(年額)÷ 12 = 自分の年金の月額
根拠
ねんきん定期便は、毎年の誕生月に届きます(日本年金機構)。
- 50歳以上:いまの条件のまま60歳まで加入した場合の、年金の見込額
- 50歳未満:これまでに払った分に応じた年金額(これから払う分は入っていない)
「ねんきんネット」でも、同じ金額を見られます。
例
見込額 年200万円 ÷ 12 = 月16万7千円
月16万7千円 × 0.87 = 手取り 月14万5千円
手取りが約87%になるのは、年金からも税金と保険料が引かれるからです(02 の式)。
50歳未満の人の定期便は、金額が小さく見えます。これから払う分が、まだ入っていないからです。
自分の数字を入れる
見込額__万円 ÷ 12 = 月__万円 → × 0.87 = 手取り 月__万円
平均は、だれの数字でもない
年金は月23万円。ただし、夫婦2人ぶんでした。
1人で見ると、会社員だった人で約16万7千円、自営業だった人で約7万円。
01 では、月23万円の年金を「7,100万円の資産」と書きました(月額 × 300)。
1人ぶんの16万7千円に直すと、5,000万円ぶんです。
ニュースの数字を、そのまま自分の数字にしない。
自分の家の形に組み直してから、「月いくら」「あと何年」に直します。
お金を、人生の時間に変換する。
最初の1歩は、ねんきん定期便を開くことでした。
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書いた人
年金・節約・給付金を「いくら得する?」で分解しています。
Threads(@nagara_takumi)で毎日、大きな数字を「月いくら」に直しています。
投資歴22年・エンジニア歴20年の会社員です。
出典
- 日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」老齢基礎年金(満額・1人分)月70,608円(昭和31年4月2日以後生まれ)/標準的な厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む)月237,279円(平均標準報酬〈賞与含む月額換算〉45.5万円で40年間就業した場合)
- 日本年金機構「ねんきん定期便」の見方(50歳以上・50歳未満)
注意
- 9万6,063円は、モデル世帯の夫の厚生年金です。自分の厚生年金は、給料と加入した年数で変わります。
- 昭和31年4月1日以前生まれの人の基礎年金の満額は、月70,408円です。
- 手取り約87%は、02 の計算(2025年の家計調査)を当てはめた目安です。住んでいる市区町村や年金の額で変わります。
- 学習用の計算です。将来の成果を保証するものではなく、特定の金融商品の推奨ではありません。
- 年金の額は毎年変わります(この記事は2026年10月時点)。自分の年金額は、ねんきん定期便かねんきんネットで確かめてください。