第13話・2026.09.06
このアプリ、1日18回しか動きません。
少女制限伝説。——なお、19回目は動かない。

公開されたばかりの彼女のアプリには、重大な仕様がある。
AIが使えるのは、1日18回まで。
19回目は、動かない。しかも上限はアプリ全体で共有なので、 誰かが18回使い切ると——その日は、全員使えない。
なぜ18回なのか
この連載で書いてきたとおり、このアプリはAI(Gemini)に写真を読ませて計画を作る。 そしてAIは、使った分だけ料金がかかる。
彼女のアプリは、無料枠の中で運用する設計にした。 固定費ゼロ。
お金の授業でやった「黒字の方程式」でいえば、 収入がまだゼロのアプリは、支出もゼロでなければ赤字になる。
無料枠から逆算した安全ラインが、1日18回だった。

「褒められた」
この設計を詰める途中、APIキーの扱いで分からないことが出てきた。
彼女はClaude Codeにこう打った。
JK「公開できるようになりました。ありがとうございます。で、質問なんですけど——」
AIに、まずお礼を言う。
クロヤン「いい質問ですね……」
JK「いい質問ですって言われた。褒められた」
AIとの付き合い方が、もう板についている。
ちなみに、クロヤンはノーマルのAIで、池上彰の人格は入っていない。

作ってみて、初めて分かる穴
検証の途中で、問題がひとつ見つかった。
使用回数のカウンターが、ブラウザを更新するとリセットされる。
つまりこのままだと、更新すれば無限に使えてしまう。18回の意味がない。
対策は、数える場所を変えること。ブラウザ(使う人の側)ではなく、 サーバー(アプリの側)で数えるように作り直す。これは宿題になった。
仕様書に書いたことが、動かして初めて「穴があった」と分かる。 728行書いても、こうなのだ。
200円を、見送った
ちなみに、上限を上げる方法はある。有料プランだ。月200円ほど。
安い。でも、見送った。
理由は、金額ではない。設定を間違えたときに、 青天井の請求になり得るからだ。上限の見えない支出には、鍵を挿さない。 使うなら前払いのような、失敗しても被害が決まっている方法を探すことにした。
200円をケチる話ではなく、「支出は上限を決めてから」というお金の授業の実践である。

制約は、次の問題を連れてくる
かくして彼女のアプリは、1日18回の制約つきで世に出た。
この制約、実はかっこ悪い話ではない。 1円も払わずにAIアプリを世界に公開できている証明であり、 「いくらまでなら使っていいか」を先に決める設計の証明でもある。
ただし、ひとつ問題が残った。
次のステップは、友達に使ってもらって感想を聞くこと。 ——18回しかないのに、どうやって?
その問いに向き合う前に、お伝えしたいことが起きている。
次回——この物語が、もう一つの視点で読めるようになる。
この連載は、実在する女子高生の学習過程を、本人・保護者の同意のもと個人が特定されない形で記録しています。会話は意味を変えない範囲で整理しています。
(第13話・了)