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老後のお金を「月いくら」に直す

第1話・2026.10.02

1億円あっても月30万円。でも年金は、7,100万円の資産でした

お金を「月いくら」「あと何年」に変換する3つの式

1億円あっても、使えるのは月30万円でした。

でも、貯金がゼロの人も、7,100万円の資産をもう持っていました。

年金です。

どちらも、同じ式から出てきます。

資産は、300で割ると「月いくら」になります。
月の年金は、300を掛けると「資産いくら」になります。

大きく見えた1億円は、月にすると小さかった。
小さく見えた月23万円の年金は、資産にすると大きかった。

足りるかどうかは、金額の大きさでは決まりませんでした。

このnoteでは、その式を3本だけ紹介します。
どれも、公的な数字と、自分の数字を入れるだけで計算できます。

式1 資産 ÷ 300 = 月に使える額

資産 ÷ 300 = 毎月使える額

根拠

毎年、資産の4%ずつ取り崩しても、30年で尽きなかった確率は95%。
アメリカの研究(Trinity Study・1998年)で、「4%ルール」と呼ばれています。

4%を12か月で割ると、1か月あたり資産の300分の1。
だから「÷300」です。

例

  • 1億円 → 月 約33万円
  • 5,000万円 → 月 約16万7千円
  • 3,000万円 → 月 10万円

1億円なら、月33万円。
月30万円の暮らしなら、その中に収まります。

大金に見える1億円も、「働かずに30年暮らす」と決めた瞬間に、月30万円の権利になりました。

自分の数字を入れる

いまの資産(または、そのときに持っていたい資産)__万円 ÷ 300 = 月__万円

逆から使うこともできます。

月に使いたい額__万円 × 300 = 必要な資産__万円

式2 年金の月額 × 300 = 年金を資産に直した額

年金の月額 × 300 = 同じ額を資産から出すのに必要な元手

式1の逆です。

根拠

夫婦2人の標準的な年金は、月23万7,279円(令和8年度)。
夫が平均的な収入で40年働き、妻は40年専業主婦という「モデル世帯」の額です。

例

23万7,279円 × 300 = 約7,118万円

毎月23万円の年金は、7,100万円の資産を持っているのと同じでした。
しかも、この資産は減りません。生きている限り、毎月入ってきます。

貯金がゼロでも、これはもう持っています。
自分で用意するのは、足りない分だけです。

足りない月額 × 300 = 自分で用意する資産

※7,100万円は、会社員の夫婦のモデル世帯の場合です。単身の人、自営業の人、働き方が違う人は額が変わります。自分の見込み額は「ねんきん定期便」に書いてあります。

自分の数字を入れる

年金の見込み額(月)__万円 × 300 = __万円の資産と同じ
毎月の支出__万円 − 年金__万円 = 足りない月額__万円
足りない月額__万円 × 300 = 自分で用意する資産__万円

式3 健康寿命 − いまの年齢 = お金を自由に使える年数

ここまでは「いくら」の話でした。
最後は「いつまで」の話です。

健康寿命 − いまの年齢 = 自由に動いて、お金を使える年数

根拠

  • 男性:健康寿命 72.57歳/平均寿命 81.05歳(差 8.49年)
  • 女性:健康寿命 75.45歳/平均寿命 87.09歳(差 11.63年)

健康寿命とは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」です。
平均寿命との差は、「日常生活に制限のある期間」にあたります。

例

60歳の男性なら、72.57 − 60 = 約12年。

お金を増やしてきた期間より、自由に使える期間のほうが、ずっと短いかもしれません。

自分の数字を入れる

健康寿命(男性72.57/女性75.45)− いまの年齢__歳 = __年

お金を、人生の時間に変換する

1億円は、300で割ると月33万円。
月23万円の年金は、300を掛けると7,100万円。
自由に使える時間は、60歳からなら約12年。

大きな数字のままでは、多いのか少ないのか分かりませんでした。
「月いくら」と「あと何年」に変換すると、自分の人生の話になります。

「老後が不安」の正体は、たいてい「月いくら足りないか」と「あと何年か」の2つでした。

大きな数字は、割るか掛けると、自分の大きさになります。

自分の数字で、まとめて計算したい人へ

3つの式を、自分の数字で一度に出せる計算機を作りました。
いまの収入と支出、資産、何歳まで働くかを入れると、「会社に縛られなくてよくなる年齢」が出ます(無料・1分)。

老後のお金の計算機

FIRE Strategy Lab | FIRE戦略シミュレーター

この先について

このnoteの3本のほかに、式があと12本あります。

  • 年金暮らしでも、税と保険料は月いくら引かれるか
  • 医療費の、月の上限と年の上限(2026年8月から)
  • 退職金に税金がかからない線
  • 相続税がかかる線、戻される贈与
  • 通勤時間を、年収に直すといくらか など

15本を1冊にまとめて、自分の数字を入れるだけで全部計算できるスプレッドシートを付けた版を作ろうと考えています。

ほしいと思った方は、コメントで教えてください。反応を見て作ります。

書いた人

お金の数字の翻訳家。投資22年・エンジニア20年の会社員です。
Instagram(@nagara_takumi)で、年金・NISA・退職金などの大きな数字を「月いくら」「あと何年」に翻訳するリールを出しています。

https://www.instagram.com/nagara_takumi/

出典

  • Trinity Study(Cooley, Hubbard, Walz・1998年)4%ルール
  • 厚生労働省「令和8年度の年金額改定について」(夫婦2人分の標準的な年金額 237,279円)
  • 厚生労働省「健康寿命の令和4年値」/「令和4年簡易生命表」

注意

  • 学習用の計算です。将来の成果を保証するものではなく、特定の金融商品の推奨ではありません。
  • 年金額・健康寿命などの数字は、公表のたびに変わります(この記事は2026年10月時点)。
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