Development Report
物流ピッキングの「改善前後」を見える化するシミュレーターを作りました
2026.07.21
倉庫のピッキング(棚から商品を集める作業)を題材に、**「やり方を変えると、歩行距離と時間がどれだけ変わるか」**をその場で見比べられるシミュレーターを公開しました。
- 触って試す → ピッキング比較シミュレーター
なぜ作ったか
現場改善の話は、口頭やスライドだと「たぶん速くなる」で止まりがちです。効果が数字と動きで見えないと、投資判断も現場の納得も得られません。そこで、改善前後を並べて同じ条件で走らせ、距離・時間の差を目で見える形にすることを狙いました。
抽象的な「AIで効率化」ではなく、特定の業務課題を、触れる道具に落とす——その一例として作っています。
どう動くか
- 現状:商品がどこにあるか分からず、棚を順番に確認しながら歩く
- 改善後:保管アドレスが分かっていて、目的地へ直接向かう
- 同じ荷物で左右を同時に走らせ、1回試行の結果と、配置を変えて繰り返す1000回比較(分布・削減量・削減率)まで表示します
こだわったところ
- 自分の現場の数字を入れられる——荷物数・1個あたりの作業秒数などの条件を変えて、実際の現場に近づけて比較できます。汎用の「◯%削減」を押し付けません
- ばらつきまで見せる——1回の結果は運に左右されます。1000回まわして分布で見せることで、「平均どれくらい・どれくらいブレるか」を正直に示します
- 簡易モデルであることを明記——実際の倉庫を単純化したモデルです。意思決定は現場の実測と合わせて行う前提で、あくまで当たりをつける・伝えるための道具として作りました
- ブラウザさえあれば動く——1枚のHTMLで完結しているので、ネットのつながらない現場のPCでも、インストールなしでそのまま動きます。持ち込んでその場で見せられるのが、現場ツールとして効きます
使いどころ
- 改善提案を「たぶん速い」から「これだけ変わる」に変える
- 現場・経営に、動きと数字で同じ絵を見てもらう
- 業務課題を、AIで触れる道具に落とす進め方の一例として
現場の業務を、こうした小さなツールに落とし込む取り組みを続けています。