FIRE (Financial Independence, Retire Early)がここ数年、話題になっています。
米国から来た考え方ですが、日本でも実現する人が出てきています。「いつまでに」「どれだけ」の資産を作るか、目標値を設定し、実現したから達成できています。
FIREをするためには、どのくらいの目標金額を設定すれば、実現できるのか?シミュレーションしてみました。
この記事を読むことで、「自分の現状資産」と「目標金額」との差から、どのくらいのペースで資産を増やせば、実現できるか、考える機会が得られます。
Contents
FIREを実現するための金額
始めに結論から言うと、FIREを実現するための金額は「人による」です。
各世帯によって、「支出」「収入」「年齢」が違うからです。逆に言うと、それらの前提条件を仮定してあげれば、計算はできます。
例えば、下記の前提条件での、現実的な目標金額は「40才で資産5000万円」です。
- 支出:360万円/年(30万円/月)
- 収入:資産収入5%(理想は+100万円/年の別収入)
- 年齢:40才
- 独立後は資産管理法人で資産運用
- 60才で確定拠出年金が入る
計算結果は後ほど示します。
FIREとは?
次に「FIRE」とよく聞きますが、言葉の定義をする必要があります。
私が書いている「FIRE」とは、以下の定義です。
- 主な収入が「資産収入」
- お金を目的として、「働かなくて良い」
- 「時間の使い道」を自分で決められる
①を実現するためには、「資産収入」=「資産額」x「利回り」なので、「資産額」と「利回り」が重要な要素になります。
②を実現するためには、「支出」<「資産収入」(+「好きでする仕事からの収入」)が必要です。
③を実現するためには、①②が必須。実現することで、「平日に毎日出勤」する必要無いので「可処分時間」が大幅に増える。
FIREのメリット
FIREを目指す人は何のために、目指すのでしょうか?
私は、下記の2つであると思っています。
- 精神的負担の解消
- 自由な時間の確保
精神的負担の解消
多くのサラリーマンは会社の「人間関係」に疲れを感じています。会社の仕事自体に不満を感じていなくても、「固定された人間関係」や「同調圧力」にうんざりしている事が多いです。
日本の会社特有なのかも知れませんが、「部署の調整」、「人の調整」といった「自分でコントロール」できないモノの調整は精神的負担が大きいです。
「生活のための仕事」と考えていると、「やらされ感」や「疲労感」が増します。
つまり、「生活のために絶対に辞めれない」という状態にあれば、他に選択肢がなく、この精神的負担に対して、受け止め続けなければなりません。
しかし、「いつでも好きな時に辞められる」という状態にあるのと、選択肢の幅が広がるので、精神的負担が一気に軽くなります。
自由な時間の確保
一般的なサラリーマンは、平日毎日出社します(1年の2/3)。
一般的なサラリーマンは、起きている時間の半分働いています(1日の1/2)。
つまり、サラリーマンである間は「1/3」を会社で過ごす事になります。
今までは、「給料」と交換していた「時間」が自分のモノになります。
FIREの資産額シミュレーション
ここから、ケース毎のシミュレーションをしていきます。
60才時に「確定拠出年金」が入る前提条件としています。
つまり、60才までに資産が枯渇するかどうか?がポイントとなります。
想定ケースは下表の通りです。
資産 | 4,000万円/5,000万円/6,000万円 |
---|---|
利回り | 4%/5%/6%/7% |
副収入 | なし/年100万円 |
支出 | 年360万円 |
税金、社会保険 | 資産管理法人の支出に組込みを前提 |
ケース1.資産4,000万円、資産収入のみ
資産4,000万円で、利回り4%、5%、6%、7%を試算
資産4,000万円では利回り7%未満では、60才までに資産が枯渇する。
ケース2.資産5,000万円、資産収入のみ
資産5,000万円で、利回り4%、5%、6%、7%を試算
資産5,000万円では利回り4%以上で、60才までに資産が残る。
ケース3.資産6,000万円、資産収入のみ
資産6,000万円で、利回り4%、5%、6%、7%を試算
資産6,000万円では利回り6%を超えると、60才までに資産が増える。
ここからは、副収入が年100万円ある状態をシミュレーションします。年100万円は、およそ月8万円の収入になります。参考に目安を示します。
- 時給1000円だと、8時間x10日間(週2-3日労働)
- 手残り5万円の不動産だと、2軒
- せどりで4,000円の案件だと、20アイテム
ケース4.資産4,000万円、資産収入+副収入100万円
資産4,000万円+副収入100万円、利回り4%、5%、6%、7%を試算
資産4,000万円では利回り4%以上、60才まで資産が残る。
ケース5.資産5,000万円、資産収入+副収入100万円
資産5,000万円+副収入100万円で、利回り4%、5%、6%、7%を試算
資産5,000万円では利回り5%を超えると、60才まで資産が増える。
ケース3.資産6,000万円、資産収入+副収入100万円
資産6,000万円+副収入100万円で、利回り4%、5%、6%、7%を試算
資産6,000万円では利回り4%を超えると、60才まで資産が増える。
わかったこと
- 年平均利回り7%で運用できる実力があれば、資産4000万円でもFIRE可
- 資産5000万円以上、年平均利回り4%以上出せればFIRE可
- 年100万円の副収入があれば、資産5000万円以上、年平均利回り4%以上でもFIRE可
まとめ
最後に40才、45才、50才でFIREするための目標金額を示して、まとめとしたいと思います。
年齢 | 目標金額/年齢以降の平均目標利回り |
---|---|
40才 | 5,000万円/4% |
45才 | 4,500万円/4% |
50才 | 4,000万円/4% |
なお、年100万円の副収入が得られれば、グラフで示した通り、余裕が出てきます。つまり、相場が多少変動しても心穏やかにいられます。